カレント
アウェアネス
Current Awareness
目 次
[CA1756]大学図書館とライティング教育支援
/ 赤井規晃…… 2
[CA1757]日本におけるISIL(アイシル)の導入
/ 兼松芳之…… 4
[CA1758]図書館展示の課題:
国立国会図書館の企画展示アンケートの結果から/ 古野朋子…… 6
[CA1759]台湾国家図書館の電子出版物プラットフォームによる
電子書籍の収集と提供サービス/ 安藤一博…… 10
[CA1760]デジタル化資料の共同リポジトリHathiTrust
―図書館による協同の取り組み/ 田中 敏…… 14
研究文献レビュー
[CA1761]学術情報流通政策と大学図書館
/ 小西和信…… 20
編集・発行/国立国会図書館関西館図書館協力課 〒619−0287 京都府相楽郡精華町精華台8−1−3 TEL:(0774)98−1448 季刊/ 3月・6月・9月・12月 各20日発行 ・本誌は、メールマガジン「カレントアウェアネス-E」<http://current.ndl.go.jp/cae> と連携を図りながら、 図書館及び図書館情報学における、国内外の近年の動向及びトピックスを解説する情報誌です。 ・本誌の全文は、「カレントアウェアネス・ポータル」<http://current.ndl.go.jp/ca> でもご覧いただけます。 ・本誌の掲載記事を長文にわたり抜すいして転載される場合には、事前に図書館協力課に連絡してください。No.310
2011.12.20
CA1756 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
大学図書館とライティング教育支援
1. はじめに 近年、わが国の大学図書館では学部学生に対するラ イティング教育支援の取り組みが盛んである。講習 会(1)やライティング指導に特化した対面サービスの導 入(2)といった形で実施されているほか、ライティング 教育に関するセミナーやワークショップが開催されて おり(3)、大学図書館というコミュニティ内での関心の 高さがうかがえる。 このような大学図書館のアプローチは、大学におけ る学習・教育のあり方の変化に誘発されたものではな いかと考える。特に大きな影響を与えたのは、ラーニ ング・コモンズを受容する過程において、米国の大学 図書館におけるライティング・センターの設置事例が 紹介されたことであろう(4)。さらには、大学図書館が ライティング教育支援に取り組むようになる前から、 大学において初年次教育の一環としてライティング教 育が定着していたという状況も見逃すわけにはいかな い。 今後の議論に資することを願って、以下、ライティ ング教育が普及する中で大学図書館はどう対応すべき かについて述べ、筆者のささやかな実践とそこから得 たアイデアについて紹介することにしたい。 2. 普及するライティング教育への対応 大学をとりまく環境はこの 10 年で大きく変化して きている。知識基盤社会化ともよばれる社会の変化、 グローバル化の進展、少子化により大学がユニバーサ ル段階(5)に突入したことなど、様々な要因が複合した 結果、学習の質への関心が高まり、学習を向上させる ための教育改善が重視されるようになってきた。 たとえば、初年次教育では、高校から大学への円滑 な移行を支援するべく、大学での学びの基礎となる「ス タディスキルズ」(6)の習得に重きがおかれ、とりわけ、 レポートの書き方に代表されるライティング教育が盛 んに行われている。文部科学省の調査では、初年次教 育において「レポート・論文の書き方等文章作法関連」 の授業を実施している大学は、2009 年度には 533 大学 (初年次教育を行う大学の 86%)にのぼっている(7)。 このようにライティング教育が重要視されるのは、 レポートや論文を書くためのトレーニングを通して、 読み書きの能力、問題を発見し解決する力、論理的思 考力といった、大学の専門課程で必要とされる能力を 効果的に育成することができるからに他ならない。 また、ライティング能力を学習・教育の基盤に位置 づけるということは、大学における学習・教育活動の 展開のなかでライティング教育が中心的な活動領域の 一つになるであろうことを示唆している(8)。 こうした動向に即して、大学図書館も講習会やライ ティング・デスクの設置などの試みを通じて積極的な 貢献をしようとしているが、ほとんどのケースで実質 的な指導が教員や大学院生のチューターに委ねられ、 管見の及ぶ限り図書館職員が関与している事例が見ら れないのは、非常に残念なことである。 これからの図書館職員には一歩踏み込んで教育者と しての役割が期待されていること(9)を肯定的に受け取 るなら、ライティング教育に直接関与する方法につい てもっと議論を深めていくべきではないだろうか。 3. 大阪大学での実践例 本章では、大学図書館職員が積極的に関わった事例 として、僭越ながら筆者が大阪大学で教員と協働で 行った「論文の書き方・文献の読み方 プチ・ゼミナー ル」(3・4 年生対象、4 回の連続講座)を取り上げた い(10)。 この企画を思い立った理由は二つある。ひとつは、 大阪大学ではライティング教育がまだ十分に普及して おらず、学生のニーズを少しでも拾い上げたかったと いうこと、もうひとつは、そうした活動を通じて大学 図書館の教育機能をアピールしたいと思ったことであ る。 この企画の主眼は、添削指導ではなく論文を作るプ ロセスを学ぶことに置いている。また、<事前準備+ 講義+討議+次回の準備>を 1 サイクルとしてスパイ ラル状に学習効果を高めていくことを想定してワーク ショップ型を採用することにしたが、これには、ラー ニング・コモンズの活用というもう一つの動機も含ま れる。 受講生は、まず申込時に宿題として課された論文の 企画書(指定様式)を作成し講座に挑む。企画書はそ の後 3 回の講義を通じてブラッシュアップしていき、 最終回でその成果を発表しあう。 各講義の内容は、(1)論文の基本的な構成や組み立 て方、(2)アカデミック・リーディング(11)のコツ(論 文を構造的につかむ方法を知り、書き方の参考とする ため)、(3)パラグラフ・ライティングや論証の展開法、 の 3 つとし、敢えて情報探索に関する内容を含めてい ない。時間的に扱い切れないというのも一つの理由だ が、講師が受講生との討議において一定程度の指導が できるであろうし、また、講義の焦点を論証の形式の 理解や、文章構成法の解説に絞りたいと考えたからで ある。 12 月という開催時期がよくなかったのか、参加者の 数自体は非常に少なかった。しかしながら、全回出席した受講生たちの企画書を見ると、回を重ねるごとに 学習効果が表れてきているのがはっきりとわかり、一 定の成果を得ることはできたと考えている。 また、問題点としては下記 3 点が挙げられる。 (1)受講者が回を経るごとに減少した (2)講師には幅広い専門分野の基礎知識が必要 (3)ごく少数の学生にしか対応できない (1)は、おそらく企画書の作成が負担になったもの と思われる。学生にとっては純粋な課外学習では動機 の確保が困難だということであろう。(2)は当然のこ とではあるが、図書館職員が講師を務める上で、高い ハードルとなることは間違いない。(3)については、 こうした企画を図書館の学習支援の継続的な取り組み にしていきたいところではあるが、その場合、図書館 単独で実施するには負担が大きくなる懸念がある。 以上のことから、図書館にとっての課題は、学生の 動機を確保しつつ、外部からのサポートも得られるよ うな方法を模索する、ということになる。 4. 今後に向けて 先述の課題をクリアするにはどんな方法があろう か。一つの可能性として、たとえば、教員やティーチ ング・アシスタント(TA)のサポートがあり、カリキュ ラムと連動していて、自然な形で身につく方式という のが考えられる。 そこで思いついたのが、米国の大学の授業形式をヒ ントにした、図書館を取りこんだ授業構成の提案であ る。 米国の大学では(人文系の)大規模講義にあっては、 各回の講義にあたり宿題が出されるのが普通のようで ある。指定された文献を読んで(reading assignment という)、内容をまとめたものを提出するという具合 である。また講義とは別に、TA がチューターとなり、 受講生を少人数のグループに分けて討論(discussion section)を実施したりする(12)。要するに、講義を受け るための事前準備も含めて授業の一環として管理・指 導しているわけである。 それに倣い、1 単位に定められた学修時間(13)を、(1) 教室での講義、(2)図書館での TA・図書館職員によ るライティング指導やディスカッション、(3)学生の 自主学習、の 3 つに等分(各 30 時間)に割り振って、 読み・書き・討論・講義を 1 サイクルとする授業シス テムを構築する。 このシステムなら、学生にとっては強力な自習支援 となり、また TA にとっては教育者としてのトレーニ ングを重ねるよい機会になろう。教員にとっては充実 した外部サポートを得ることによって、授業運営にか かる労力を軽減できるかもしれない。そして、大学図 書館職員にとっては、教育の最前線で教育者してのト レーニングができる願ってもないチャンスになる。 こうした思いつきがそのまま実現するとは思ってい ないが、ただ、いまの大学図書館職員に求められてい るのは、まずはこのようなアイデアを出し合い、ライ ティング教育支援に限らず、幅広い視野から学習・教 育支援のあり方を教員と共に探っていく積極的な姿勢 であると考える。 (大阪大学附属図書館:赤あか い のり あき井規晃) ( 1 )堀一成. 附属図書館ラーニング・コモンズを利用した教育実 践の試み. 大阪大学大学教育実践センター紀要. 2010, (7), p. 81︲84. 近田政博. 「レポート書き方講座」を担当してみて感じるこ と. 館燈. 2010, (176), p. 7. http://www.nul.nagoya-u.ac.jp/koho/kanto/kanto176.pdf, (参照 2011︲10︲07). ( 2 )たとえば、国際基督教大学や一橋大学など。 “ライティングサポートデスク”. 国際基督教大学図書館. http://www-lib.icu.ac.jp/WSD/WritingSupportDesk.htm, (参照 2011︲10︲07). “「レポート・論文の書き方」相談”. 一橋大学附属図書館. https://www.lib.hit-u.ac.jp/retrieval/report/index.html, (参照 2011︲10︲07). ( 3 )たとえば、名古屋大学附属図書館研究開発室による「第 36 回オープンレクチャー『ライティング教育を基点とした大 学図書館における学習支援と教育支援の展開』」、長崎大学 の「全学教育 FD・SD ワークショップ『ライティングの指 導と支援をどう強化するか』」など。 “第 36 回オープンレクチャー”. 名古屋大学附属図書館研究 開発室. http://libst.nul.nagoya-u.ac.jp/activity/openlecture/36. html, (参照 2011︲10︲07). “長崎大学全学教育 FD・SD ワークショップ”. 長崎大学附属 図書館. 2010︲02︲12. http://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/ad/event/, (参照 2011︲10︲ 07). ( 4 )たとえば、名古屋大学附属図書館研究開発室編『名古屋大 学附属図書館研究年報』(第 7 号)など。 名古屋大学附属図書館研究開発室編. 名古屋大学附属図書館 研究年報, 2008, (7). http://libst.nul.nagoya-u.ac.jp/pdf/annals_07.pdf, (参照 2011︲ 10︲07). ただし、金沢工業大学のようにラーニング・コモンズが話 題となる以前(2004 年)からライティング・センターを設 置している事例もある。 “学習支援デスク・ライティングセンター”. 金沢工業大学ラ イブラリーセンター. http://www.kanazawa-it.ac.jp/kitlc/page3/desk.html, (参照 2011︲10︲07). ( 5 )アメリカの社会学者トロウは、大学適齢人口中に占める大 学進学者数の比率を基準にして、高等教育システムの変化 に 3 つの段階を設定した。ユニバーサル段階とは、進学率 が 50%を超え、高等教育が高度に大衆化した段階をいう。 トロウ, マーチン. 高学歴社会の大学:エリートからマスへ. 天野郁夫ほか訳. 東京大学出版会, 1976. 204p. ( 6 )具体的には、文献の探し方、 ノートの取り方、プレゼンテー ション技法、 レポートの書き方、 PC の利用法など。 ( 7 )文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室. “大学に おける教育内容等の改革状況について”. 文部科学省. 2011︲ 08︲24. http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/daigaku/04052801/__ icsFiles/afieldfile/2011/08/25/1310269_1.pdf, (参照 2011︲10︲ 07). ( 8 )井下千以子ほか. ライティング教育を基点にした学習支援と FD 活動の展開(2). 大学教育学会誌. 2010, 32(2), p. 36︲38. ( 9 )科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術情 報基盤作業部会. “大学図書館の整備について(審議のまと め):変革する大学にあって求められる大学図書館像”. 文部 科学省. 2010︲12. http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/ toushin/1301602.htm, (参照 2011︲10︲07). (10)詳細については、第 16 回図書館利用教育実践セミナー in 京都(日本図書館協会主催、2011 年 3 月 12 日)において
報告した。また下記の文献も参照されたい。 上原恵美ほか. ラーニング・コモンズ:そこで何をするのか、 何がやれるのか. 図書館界. 2011, 63(3), p. 254︲259. なお、この企画は 2010 年度 12 月に第 1 回目を実施したも のであるが、2011 年度も同時期に実施を予定している。 (11)McWhorter, Kathleen T. Academic Reading. 6th ed., New York, Longman, 2007, 512p.
Lewis, Jill. Reading for Academic Success: Reading and Strategies. Boston, Houghton Mifflin, 2002, 585p. (12)苅谷剛彦. アメリカの大学・ニッポンの大学:TA・シラバス・ 授業評価. 玉川大学出版部, 1992. 222p. 伊藤憲二氏(総合研究大学院大学准教授)のブログ。 “『ハーバード白熱教室』の裏側:ハーバードの一般教養の 授業をサンデルの講義を例にして説明してみる”. Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録. 2010︲07︲25. http://d.hatena.ne.jp/kenjiito/20100725/p1, (参照 2011︲10︲ 07). (13)もともと大学設置基準第 21 条が定める単位制度では 1 単位 に必要な学修時間は 45 時間が標準とされており、大抵の大 学では、一般的な 2 単位の講義形式の授業科目であれば、 必要な全学修時間 90 時間のうち講義時間 30 時間を除く 60 時間は自主学習を行うよう学生に指導している。単位の実 質化の観点からは、この 60 時間の質の保証が鍵となるが、 完全に学生の自由に委ねられているのは、問題であろうと 思われる。 例えば、イタリアのローマにある国立中央図書館に 付与される ISIL は “IT-RM0267” となっている(表 2)。 プリフィクスの “IT” がイタリアの国名コード、UI の “RM” が図書館の所在地であるローマを表しており、 “0267” は独自の番号である。 この他、ISIL の登録や規格としての全体管理を行う 国際登録機関(ISIL Registration Agency:RA)と、 各国の UI の付与と管理を担う国内登録機関(ISIL National Allocation Agencies:NA)を置くことになっ ている。2011 年 10 月末時点では、RA はデンマーク 文化省に属する図書館・メディア庁(Styrelesen for Bibliotek og Medier)であり、日本の NA は国立国会 図書館(NDL)が担当している。 2. ISIL の経緯 ISIL は「国際標準化機構第 46 専門委員会」(ISO/ TC46)の「相互運用技術分科会」(SC4)で定められ た規格である。1996 年にイタリアから提案された当 初は “International Library Code”(ILC)という名称 だったが、検討段階で付与対象が図書館だけでなく関 連機関にまで広げられた。2000 年には、ISIL の名称 で国際標準の草稿(ISO/DIS 15511:2000)が提示され、 2003 年に ISO 15511:2003 として正式に国際標準規格 となった。(CA1715 参照)。 それから 6 年後の 2009 年に再度規格の改訂が行わ れ、ISO 15511:2009 となる。コードの規格自体は ISO 15511:2003 と同じだが、RA をデンマーク図書館・メ ディア庁が担うことが付録 B に明記され、あわせて
CA1757 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
日本における ISIL(アイシル)
(1)の導入
はじめに 電話、PC、書籍、お札、人……私たちが意識し ているかどうかに関わらず、世の中にあるさまざま な存在に ID が付けられている。ここでは、「世界 中のすべての図書館に ID を付ける」目的で始まっ た「図書館及び関連組織のための国際標準識別子」 (International Standard Identifier for Libraries and Related Organizations:ISIL)について、その概要・ 経緯を紹介し、日本における ISIL の導入と運用につ いて説明する。 1. ISIL の概要 全世界の図書館をはじめ、博物館・美術館、文書館 等の機関に付与し、識別するための国際標準 ID、そ れが ISIL である。ISIL は国際標準化機構(ISO)の標準規格 ISO 15511 として定められており、2011 年 10 月末時点でドイツ、 フランス、英国、イタリア、ロシア、米国等 26 か国が 採用している。 ISO 15511:2011 では「ISIL は、既にあるシステム に与える影響を最小限にとどめつつ、図書館・文書館・ ミュージアム及び関連組織を識別するために使われ る、標準識別子のセット」(2)と位置づけられている。 ISIL を導入する各国が既存の図書館コード等を流用 できるよう配慮されていることから、ISIL で定められ ている主なルールは、ID のフレームワークを規定す る程度の緩やかなものとなっている(表 1)。 ・全体は 16 文字以内の可変長コードで構成。 ・使える文字は ISO/IEC 10646(UCS。JIS X 0221) の大小英文字、数字、記号 3 種。ただし、英文字の 大小は同じ文字とみなす。 ・機関識別子(Unit Identifier:UI)は各国で決めて よい(ISO 3166-2 の地理区分を含めることが推奨さ れている)。 プリフィクス − 機関識別子 4 文字以内 1 文字 11文字以内 ISO 3166-1 国名コード (DK、JP 等)/特定 機関コード(OCLC 等) 区切り 大小英文字 数字 記号[/][-][:] 表1 ISILの基本構成 表2 ISILの例 IT-RM0267 ローマ国立中央図書館(イタリア) AU-TS:RL CSIRO 森林業局(オーストラリア) DE-Tue120 ドイツ-アメリカ協会図書館(ドイツ)
NA の役割についてより細かく追記された。 現時点で最新の ISIL は ISO 15511:2011 である。 この改訂では随所に “museum” の語が追記されるなど MLA 連携が強く意識され、付与対象も広く「情報分 野」に関係する組織という表現になった。また、複数 の NA が現れた場合は RA がひとつの NA を選んで決 定することが明記されるとともに、OCLC のような国 に属さない登録機関のコードの管理に関する項目が節 として独立した。 3. 日本における ISIL の導入 2007 年、RA から ISO/TC46 国内委員会に対し、日 本から NA を出すよう要請があった。これを受けて ISO/TC46 国内委員会から NDL に ISIL の NA になる よう打診があり、NDL 内部で調査や関係者へのヒア リング、図書館・博物館・文書館の関係者及び団体と の協議、日本における ISIL の UI の体系、付与対象、 付与ルール、運用方法等についての検討が進められた。 ISIL の構成については、検討の過程で UI に NDL の登録利用者(機関)の ID を適用する案等が出たが、 最終的に ISO/TC46 国内委員会からの示唆(後述する RFID 規格案への対応に関する内容)と ISIL の持つ汎 用性に配慮し、表 3 の構成を採用することとなった。 ・機関種別及び UI で使用する文字は原則数字のみ。 ・機関種別は図書館を 1、博物館・美術館を 2、文書 館を 3、その他機関を 9 とする。 ・機関 ID は 000001 から連番で付与する。機関の廃止等 で欠番が出ても埋めず、常に新しい番号を付与する。 この構成は、次のコンセプトを基にしている。 ・付与対象の名称変更や統廃合、設置自治体の合併等 さまざまな変更が起こるたびに ISIL を振り直さな くて済むように、コード自体に複雑な意味を持たせ ず、なるべくシンプルなコード体系とする(よって、 ISIL で推奨されている「UI へ地理区分を含める」 ことはしていない)。 ・機関種別の分類が複雑化したり、種別不適合がもと で「コードが決まらない」「例外措置の常態化」と いう事態になるのを避けるため、機関種別はごく大 まかな枠組みに留める。また、複合文化施設や新た なジャンルの施設が今後展開されることを想定し、 機関種別には余りを持たせておく。 ・どんな ID 構成であっても付与対象の情報は別途管 理しなければならない。そのために、ISIL をキーと した「ISIL 管理台帳」を別途作成し、機関名・住所・ URL のような基本情報、地理区分などの属性情報 等はすべてこの台帳の中で扱っている。頻繁に変更 が発生するような項目を ISIL の体系と切り離すこ とで、ほとんどの情報変更を台帳の修正で済ませる。 ISIL の構成に関する検討と並行して、前述のよう に NDL が日本の NA として 2011 年 8 月 31 日に申請 を行い、同日 RA に承認された。こうした準備を経て NDL は、2011 年 10 月 20 日ホームページ上で日本語 版と英語版の「図書館及び関連組織のための国際標準 識別子(ISIL)」のページ(3)を公開し、ようやく日本 における ISIL の付与が始まった。 4. 日本における ISIL の付与・管理 <付与対象> 日本における ISIL の付与対象は、ISO 15511:2011 に基づいて図書館、博物館・美術館、文書館、その他 (出版者や取次業者、資料や情報の流通に関わる組織 等)を想定している。また、原則として 1 館にひとつ の ISIL を付与するが、中央館とは別に分館も個別の ISIL を持つことができる。最初からすべての対象を登 録することは難しいので、当面は機関種別「1」の図 書館(NDL 及び支部図書館、公共図書館、大学図書館、 専門図書館、その他情報専門機関、視聴覚障害者情報 提供施設等)に対する付与から始め、徐々に付与対象 機関を学校図書館や博物館・美術館、文書館等に広げ ていくことを考えている。 <機関情報の登録と更新> 機関情報は、「初期登録データ(一括)」「更新デー タ(一括)」「登録希望機関からのフォーム経由の申請 (個別)」のいずれかに基づいて ISIL 管理台帳に登録 する。機関種別「1」(=図書館)のデータの初期登録 については、日本図書館協会(JLA)をはじめ、幾つ かの関係団体の協力を得て登録対象となる機関の情報 を入手し、あらかじめ NDL で ISIL を採番・付与した (初期登録は図書館のみ。ISIL 管理台帳公開時の登録 数は 4,926 館)。しかし、この段階では ISIL と機関名 表3 日本におけるISILの構成 表4 日本におけるISILの例 プリフィクス - 機関識別子 2 文字 1 文字 1 文字 6 文字 国名コード (JP) 区切り 機関種別 機関ID JP-1000001 国立国会図書館(東京本館) JP-1000907 東京都立中央図書館 JP-1003306 東京大学/総合図書館
を結び付けただけである。今後は次のステップとして、 すべての ISIL 付与機関の登録情報に関して NDL が順 次確認調査を行い、正確なデータを ISIL 管理台帳に 反映させてゆく必要がある。 なお、初期登録から漏れた機関については、事務局 の追加調査に加え、登録申請を受けてフォローするこ とにしている。さらに毎年、各機関の更新情報と申請 情報を突き合わせて、必要に応じて事実確認を行った 上で、ISIL 管理台帳のデータ更新を行う想定である。 <機関に関する情報の管理> ISIL 自体は単純なコードである。これに多くの意味 を持たせることは、改訂作業の煩雑さを増し、申請か ら付与までの時間に影響を与え、情報の不整合をもた らす原因となりうる。よって、機関に関する情報は前 述のとおり ISIL 管理台帳を作成し、ID とリンクする 形で維持管理する。ISIL 管理台帳の項目のうち、次の ものをインターネット上で公開している(* マークが ついている項目の情報は、事務局による確認調査が済 んだものから順次公開)。 ・ISIL ・機関名(英語表記、日本語表記、ヨミ) ・所在地の郵便番号* ・所在地住所* ・代表電話番号* ・代表 FAX 番号* ・URL* この他、ISIL 管理台帳では中央館・分館の関係、機 関の種別等の情報もメンテナンスしている。 5. おわりに 1996 年に ISIL が提案されてから、実に 15 年を経て 日本に ISIL が導入された。ISIL そのものは単なる番 号にすぎないが、標準化という意味において大きなポ テンシャルを秘めている。 ISIL の活用方法を問われて図書館員がすぐに思いつ くのは、図書館間貸出の現場での活用、図書館システ ム等における登録機関管理作業の軽減等があろう。し かし、ISIL はさらに広い分野での活用も視野に入って いる。日本における ISIL の構成は、RFID のコードに 組み込むことも想定してあるので、IC タグに各館の ISIL を入れて資料の流通の自動化・円滑化を進めるこ とも可能である。紙媒体資料を中心とした図書館間貸 出だけでなく、電子書籍の流通等で ISIL をベースに した認証管理を行うことができれば、どの館で使われ たかをチェックし、適切な権利処理や各種マーケティ ングへの活用も期待できる。加えて、ISIL 管理台帳は 「登録機関の基本プロファイルが格納された公的なリ ポジトリ」と考えることもできる。今後図書館を皮切 りに博物館・美術館、文書館等の登録が進めば、これ まで実は存在していなかった「日本の文化施設一覧」 データに成長するであろう。 注目されやすい検索サービス等とは異なり、ISIL の 付与・維持管理は、言ってみれば「情報基盤の基盤」 を整備する地道な事業である。それゆえ、半永久的な サービスとして継続することに大きな意義があると考 えている。 (関西館図書館協力課:兼かね松まつ芳よし之ゆき) ( 1 ) 2011 年 10 月 27 日に、ISIL の RA 事務局から電子メール で「『アイシル』と発音しているが、他の呼び方でも構わな い」との回答を得ている。
( 2 )ISO 15511:2011(E). Information and documentation ― International standard identifier for libraries and related organizations (ISIL). p. 1. ( 3 )“図書館及び関連組織のための国際標準識別子(ISIL)”. 国立 国会図書館. http://www.ndl.go.jp/jp/library/isil/index.html, (参照 2011︲10︲28). Ref:
ISO 15511:2000(E). Information and documentation ― International Standard Identifier for Libraries and Related Organizations (ISIL).
ISO 15511:2003(E). Information and documentation ― International Standard Identifier for Libraries and Related Organizations (ISIL).
ISO 15511:2009(E). Information and documentation ― International standard identifier for libraries and related organizations (ISIL).
ISO 15511:2011(E). Information and documentation ― International standard identifier for libraries and related organizations (ISIL).
Danish Agency for Libraries and Media. ISIL. http:// biblstandard.dk/isil/index.htm, (accessed 2011︲10︲28).
CA1758 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
図書館展示の課題:国立国会図書館の
企画展示アンケートの結果から
1. はじめに 一度でも展示を実施したことがある図書館は数多 い。図書館展示は広報であり、また利用者教育や人材 育成の機会(1)として、図書館業務に利をもたらすもの である。 しかし、展示専任の部署がある図書館は少ないので はないか。事例紹介では、委員会体制やワーキンググ ループ体制での実施が報告されている(2)。展示は、図 書館ならではの受入・書誌作成・閲覧・レファレンス といった業務の合間に行われることがほとんどだ。ど の図書館がどのくらい展示を行っているか、図書館展 示はどうあるべきかといった研究も、日本ではあまり なされていない(3)。実施マニュアル的な論文も発表さ れてはいるが(4)、どの図書館も手探りで実施している のが実情ではないだろうか。そのうえ、昨今は博物館や美術館で様々な展示会が 開催されており、観客の目も肥えている。図書館展示 も、内容の充実はもちろんのこと、集客や満足度向上 に一層の努力が必要となっている。そこで本稿では、 国立国会図書館(NDL)の展示(5)のうち、直近の 2 つ の企画展示(6)での試みとその結果、図書館展示が今後 取り組むべき課題を、アンケート結果をもとに、主に 広報の観点から集客と満足度にしぼって紹介したい。 2. NDL の直近の企画展示アンケート結果分析 2.1. 基本情報 以下に、今回紹介するアンケート対象である展示会 の基本情報を述べる。 ・貴重書展 NDL の開館 60 周年を記念して、2008 年の 10 月か ら 11 月に、東京本館と関西館でそれぞれ 2 週間ずつ 開催した。貴重書等 77 点(重要文化財『師守記』や 絵巻物等)を展示した(7)。 ・議会政治展示会 帝国議会開設 120 年を記念して、2010 年の 12 月に 憲政記念館で開催した。議会政治に関する憲政文書約 90 点(坂本龍馬から浅沼稲次郎まで、議会制度に関わ る人物の直筆等)を展示した。NHK 大河ドラマ『龍 馬伝』の放送終了直後にあたる(8)。 2.2. 集客を増やすには 入場者数・アンケート結果のうち、集客増につなが る課題をここに挙げる(図 1 ~図 5 参照)。 2.2.1. 開催期間、曜日の設定 入場者数を日毎に見ると、展示に合わせた講演会を 行った日は当然、入場者が多い。また、「せいか祭り」 は、関西館が位置する京都府相楽郡精華町全体のイベ ントである。展示会事務局では「せいか祭り」に合わ せた開催時期を選んだ。 こうしたイベントを考慮しないとすると、曜日では 東京本館、関西館ともに土曜日の数値が多く、東京本 館では特に日曜日の数値が少ない傾向が見られる。そ もそも NDL は、日曜日は東西ともに閲覧を行ってい ない。それでもあえて日曜日に展示会のためだけに来 館する人がいるのではないかと期待していたが、結果 としてはかなり少ない数値になった。また、東京本館 は永田町という官庁街、関西館は学研都市にあるため、 行楽がてら訪れたり、通りすがりに入場したりするよ うなケースを期待できないということだろう。それぞ れの地域の特性に合わせた開催時期、開催曜日を選ぶ ことが大切であることがわかる(9)。 講演会 図1 日別入場者数 貴重書展(東京本館2010年10月) 講演会 せいか祭り 図2 日別入場者数 貴重書展(関西館2010年11月)
2.2.2. 広報手段 雑誌」が関西館で比較的多いのは、関西の地方ニュー スとして取り上げられることが多いことによる。展示 会そのものが多数行われる東京では、マスコミにプレ スリリースを送付しても、残念ながら図書館の展示は 大手メディアにはほとんど取り上げられない。 実際、アンケート結果には、「もっと広報するべき である」という声が多く寄せられた(貴 30、議 20)(10)。 特に、テレビ局での放送、電車内の広告をすべきで あるという意見が多かったが、いずれも予算の関係上 行っていない。駅にポスターを数枚貼るにも数十万円、 電車内の広告には数百万円と、想像以上の費用がかか る。民間や法人の美術館・博物館でない国立の図書館 がどこまで広報の費用を割けるのか、難しいところで ある。 ・口コミ、リピーター 3 番目に多いのが「友人・知人から」である。一度 来場した人が友人や知人に勧めるということが多いよ うだ。そうした口コミ効果を考えると、できるだけ会 期を長くして周知期間を長く取ることが大切だと思わ れる(11)。 ・館内の案内がまず大切 情報入手手段で最も多いのは、「来館して」であり、 一般的な広報手段であるポスター・ちらしに匹敵(東 京では超える)する割合である。館内のポスター掲示 や、館の入口に掲げる看板等が、遠方へのポスター・ ちらしの配布とともに重要であることがわかる。 ・ポスター・ちらしは戦略が必要 ポスター・ちらしは全国の図書館、関係機関に配布 しているが、予算の関係により車内広告などは行って いないため、予想よりは少ない数値となった。 展示内容と関係のある大学の研究室が、学生を連れ て観覧に来ている様子も見受けられるため、学会など にピンポイントでポスター・ちらしを送付することも 効果的と思われる。 ・マスコミは地方なら期待できる なお、東京本館では少ない「テレビ・ラジオ」「新聞・ また、図 5 にある「案内状」というのは、NDL か ら関係者に送付した案内状のほか、議会政治展示会の 会場となった憲政記念館が秋の企画展示の際にリピー ターに送付しているものが含まれる。憲政記念館は常 に展示を行っており、近現代の憲政史に興味のある人 なら一度は訪れる記念館である。リピーターがおり、 毎年送付する葉書の広報効果は高いという。同時開催 となった議会政治展示会についても、この葉書の隅に 情報を掲載して頂いた。このように展示の固定ファン をつかむことも重要である。 図3 情報入手手段 貴重書展(東京本館) 図4 情報入手手段 貴重書展(関西館) 図5 情報入手手段 議会政治展示会
2.3. 満足度を上げるには アンケート結果のうち、満足度向上につながる課題 をここに挙げる。 ・わかりやすく 「かなりくわしく説明があり、理解しやすかった」(貴 76、議 82)、という意見がある一方で、「子供でも理解 できるぐらい詳しくしてほしい」(貴 68)、「難しい、 堅苦しい」(議 44)という意見もあり、入場者のレベ ルをどの程度に設定するかは難しいところである。「私 には来てはならないところなのか」という悲痛な声も あった。 ・現代語訳、ふりがな、翻刻をつける 「不満足」という回答の 20 ~ 30%程度をこれらの要 望が占める(貴 68、議 40)。「わかりやすく」という 要望の具体的な面である。議会政治展示会では、初日 のアンケート結果をもとに翻刻を増やした結果、貴重 書展よりは要望の数値が減った。ほかにも、「もう少 しわかりやすい言葉で(かみくだいて)」「人名にふり がなを。西周では若い方は読めません」「○○事件の 説明がないとわからない」といった意見からは、現代 語訳だけでなく、解説の文章そのものについても、高 すぎないレベル設定が求められていることがわかる。 「知っていて当然」「知らない言葉は自分で調べましょ う」というような姿勢は受け入れられない。 ・参加できるコーナーは好評 いずれの展示会もフロアレクチャー(展示担当者が 出展資料の説明を会場内で行うこと。ガイドツアーと も言う)を行い、大変好評だった。どちらも2回ずつ行っ たが、1 度参加して 2 度目も参加する入場者もいたほ どだ。また貴重書展での、簡易なレプリカを手にとっ て触るコーナーや、議会政治展示会での坂本龍馬の直 筆署名をスタンプにしたものなど、見るだけでなく来 館者も参加できる企画は全般的に好評である(貴 113、 議 38)。 なお、筑波大学の企画展示では、ブログや Twitter で情報発信するとともに、会期中に寄せられた質問に 答える Q&A コーナーを設けている(12)。こうした相互 交流は観覧者の満足度を上げると思われる。 ・別のページが見たい。電子展示があるのはいい。 図書館展示の根本的な欠点として、一部分のページ しか展示できない点が挙げられる。貴重書展は企画展 示と同時に同内容の電子展示を作成し(13)、展示箇所以 外のページも見ることができるようにした。アンケー トでは、まずまず好評であった(貴 10)。議会政治展 示会は、既存の電子展示会「史料にみる日本の近代」(14) に全ページ画像を掲載している史料を中心に、展示を 構成した。いずれの展示会でも、会場内ではパソコン コーナーで電子展示を閲覧できるようにした。 しかし、展示物とパソコンとは、どうしても離れた 位置にしか設置できず、臨場感がない。展示物のすぐ そばで、ページをめくるような感覚で電子画像を見ら れるような仕組みが開発されることを期待する。 2.4. 取り上げるテーマ(集客、満足度の両方の観点か ら) ・貴重なもの、有名人の直筆、あの有名な○○、タイ ムリー 「貴重なものが見られてよかった」(貴 164)、「学校 などで習った有名な書物(伊勢物語、源氏物語、八犬 伝等)の実物が見られて感動した」(貴 35)、「著名人 の直筆を見ることができて感動した」(議 150)、「龍 馬の直筆を見ることができて感動した」(議 81)、「大 河ドラマ放送直後に坂本龍馬はタイムリー」(議 31)、 こういった回答が、回答数全体の約 15% を占める。 特に議会政治展示会はポスターに坂本龍馬の肖像を入 れたため、普段憲政文書に興味を持たない層も入場し、 好評だったようだ。誰もが知っているもの、貴重なも の、今流行のもの、という親しみやすさが最も喜ばれ るようだ。 しかし、内容が著名なものであっても、タイトルが 堅苦しいために、「それだけでは足を運びにくい、損 をしている」「『八犬伝とその仲間たち』とでもしたほ うがいい」という声も聞かれた。 ・視覚に訴えるもの 貴重書展では、三部構成のうち第一部、第二部では 文字が中心の資料であったが、第三部で美しい絵巻物 を展示し、これが好評であった(貴 29)。一方、議会 政治展示会ではどうしても文書が中心となってしまう ため、「文書ばかりでつまらない。もっと映像などを 取り入れるべき」という意見が見受けられた(議 21)。 これはそもそも予想できたことなので、壁面に展示資 料に関係する人物肖像や風景写真をパネルで飾った。 また、入口にディスプレイを設置し、文書と人物肖像 を組み合わせたスライドショーを上映して、少しでも 視覚に訴えることを目指した。しかし、画像が白黒の せいか、あまり目立たなかったようだ。音声付きのビ デオ上映コーナーなどを期待する意見もあった。 3. おわりに 総じて、わかりやすく親しみやすい展示が求められ ていることがわかる。じっくり読むのではなく、ぱっ
と見て満足できるもの、興味を持てるものが良いとさ れるようだ。 それでは軽薄にすぎるのではないかという声もある だろう。学術的な確かさが確保できるのか心配だとい う声もあるだろう。議会政治展示会のアンケートには、 「坂本龍馬で客寄せをしすぎである」「大衆におもねっ ている」という意見も 10 件あった。しかしどんなに 中身が良くても、入場してもらわなければ意味がない。 もちろん、ただ「貴重です」「テレビドラマとタイアッ プです」では軽薄すぎてイメージダウンの可能性もあ る。また、後が続かない。よって、企画段階では、集 客増や満足度向上を視野に入れつつ、既存のイメージ や無難な路線にこだわらない企画を考え続ける努力が 求められるだろう。 また、わかりやすさと学術的な確かさの両立という 点では、入場者が展示を見る段階に従って、方向性を 変える必要がある。具体的には、学術的な記述は図録 等で行い、会場内ではわかりやすく、親しみやすく、 さらに広報段階では注目を集めるように心がける、と いうような切り分けが考えられるだろう。 図書館の存在意義が問われる今、本稿で紹介した NDL での展示活動が抱える課題とその分析を基に、 図書館展示がより戦略的に活用されることを願う。 (利用者サービス部サービス企画課:古ふる野の朋とも子こ) ( 1 )米澤誠. 広報としての図書館展示の意義と効果的な実践方 法. 情報の科学と技術. 2005, 55(7), p. 305︲309. http://ci.nii.ac.jp/els/10016618354.pdf?id=ART0003225 345&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_ type=0&lang_sw=&no=1320023594&cp=, (参照 2011︲10︲ 28). ( 2 )松原敏夫. 琉球大学附属図書館における展示会活動につい て. 大学の図書館. 2005, 24(5), p. 76︲78. http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/123456789/58/1/ matsubara.pdf, (参照 2011︲10︲28). 米澤誠. 田中耕一氏展示という未知への挑戦. 大学の図書館. 2005, 24(5), p. 78︲81. 篠塚富士男. 大学図書館における展示会活動. 大学図書館研 究. 80, 2007, p. 43︲53. h t t p : / / w w w . t u l i p s . t s u k u b a . a c . j p / d s p a c e / bitstream/2241/101739/1/daitoken_80.pdf, ( 参 照 2011︲10︲ 28). ( 3 )大学図書館に関しては、以下の文献がある。 篠塚富士男. 大学図書館における展示会活動. 大学図書館研 究. 80, 2007, p. 43︲53. h t t p : / / w w w . t u l i p s . t s u k u b a . a c . j p / d s p a c e / bitstream/2241/101739/1/daitoken_80.pdf, ( 参 照 2011︲10︲ 28). ( 4 )松下眞也. 図書館と展覧会. 早稲田大学図書館紀要. 1996, 43, p. 1︲46. ( 5 )NDL では 1948 年の創立以来、様々な企画展示や常設展示 を開催してきた。2006 年 4 月以降は委員会体制とともに、 電子展示会を含めた展示専任の係(3 名)を事務局として 設置して取り組んでいる。 “過去の展示会一覧”. 国立国会図書館. http://www.ndl.go.jp/jp/event/past_ex/index.html, ( 参 照 2011︲10︲28). ( 6 )ここでは、NDL の東京本館での開催を主とした大規模な展 示会を指し、電子展示会、小規模な展示会(展示ケース数 個程度のもの)、国際子ども図書館における展示会を除いた ものを取り上げた。 ( 7 )貴重書展は、東京本館では 2008 年 10 月 16 日~ 10 月 29 日 (土・日を含む)10:00 ~ 18:00 に新館 1 階展示室で開催した。 関西館では 2008 年 11 月 13 日~ 26 日(土・日・祝を含む) 10:00 ~ 18:00 に関西館大会議室で開催した。 東京本館の入場者数はのべ 2,056 人で一日平均 146.8 人、ア ンケート回収枚数は 618 枚で回収率は 30.0%であった。関 西館の入場者数はのべ 2,254 人で一日平均は 161 人、アン ケート回収枚数は 830 枚で回収率は 36.8%であった。 アンケートの回答による満足度(「とても良い/良い/普通 /あまり良くない/良くない」のうち、「良い」以上の割 合)は、展示内容に対しては 88.4%で、展示方法について は 72.7%であった。 ( 8 )議会政治展示会は、2010 年 12 月 1 日~ 12 月 10 日(土・ 日を含む)9:30 ~ 17:00 に憲政記念館 1 階会議室で開催 した。なお、この展示会は関西では開催していない。 入場者数は 4,124 人で一日平均 412 人、アンケート回収枚 数は 1,460 枚で回収率は 35.4%であった。 また、アンケートの回答に基づく満足度(「満足/やや満足 /やや不満足/不満足」のうち、「やや満足」以上の割合)は、 展示内容については 92.2%、展示方法に対しては 86.7%で あった。 ( 9 )次回の NDL 企画展示「ビジュアル雑誌の明治・大正・昭和」 (2012 年 2 月~ 3 月開催予定)では、日曜・祝日は開催しない。 (10)本文中で(貴 30、議 20)のようにカッコ内に記載した数字 は、自由記入欄の同様意見をまとめた件数である。また、「貴」 は貴重書展、「議」は議会政治展示会を意味する。以下、同 様とする。 (11)次回の NDL 企画展示「ビジュアル雑誌の明治・大正・昭和」 (2012 年 2 月~ 3 月開催予定)では、東西あわせて 40 日間と、 会期を長く設定した。 (12)篠塚富士男. 大学図書館における展示会活動. 大学図書館研 究. 80, 2007, p. 43︲53. h t t p : / / w w w . t u l i p s . t s u k u b a . a c . j p / d s p a c e / bitstream/2241/101739/1/daitoken_80.pdf, ( 参 照 2011︲10︲ 28). 筑波大学附属図書館展示 Blog http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/exhibition/blog/, (参照 2011︲11︲15). “筑波大学附属図書館特別展 WG(@tulips_tenji)”. Twitter. http://twitter.com/tulips_tenji, (参照 2011︲11︲15). (13)“国立国会図書館開館 60 周年記念貴重書展:学ぶ・集う・ 楽しむ”. 国立国会図書館. http://www.ndl.go.jp/exhibit60/index.html, (参照 2011︲11︲ 15). (14)“史料にみる日本の近代:開国から戦後政治までの軌跡”. 国 立国会図書館. http://www.ndl.go.jp/modern/index.html, (参照 2011︲11︲ 15).
CA1759 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
台湾国家図書館の電子出版物プラットフォーム
による電子書籍の収集と提供サービス
1. はじめに 台湾では電子書籍を販売するプラットフォームがす でに 10 以上存在しているものの、保有するコンテン ツ数が 4 桁にとどまるものが多く、米国の Amazon や 中国の方正のような巨大なプラットフォームはまだ存 在していない。しかし、2009 年に政府が電子出版市場 の拡大を推進する計画(1)を策定して以降、官と民から 約 200 の機関と企業が加盟する「電子閱讀產業推動聯 盟」という電子出版産業を推進する団体が結成される など電子書籍をめぐる動きが急になっており、電子書 籍市場の拡大政策と電子出版関連技術の標準化の検討 が台湾総出で進められている。 国家図書館は図書館法(2)が定める法定納本機関とし て台湾の出版物を網羅的に収集し、恒久的に保存する 役割を担っている。その収集対象には電子媒体の出版物やインターネット資料も含まれている。国家図書館 はさらに台湾における ISBN/ISSN センターとして台 湾の出版物に付与する標準番号の管理も行っている。 台湾の法定納本機関及び ISBN/ISSN センターとして この電子書籍に係る動きに対応すべく、国家図書館は、 電子出版物の網羅的収集と恒久的な保存、電子出版物 への ISBN 付与、そして、利用者サービスの 3 つの機 能を持つ電子出版物プラットフォーム「數位出版品平 台系統」(E-Publication Platform System:以下、EPS)(3) を構築し、2011 年 8 月 23 日に正式にサービスを開始 した。 本稿では国家図書館の EPS による電子書籍の納本 の受付から、納本された電子書籍が利用者に提供され るまでの流れを紹介したい。 2. 電子書籍の納本と ISBN 付与、メタデータの作成・ 公開 2.1. 概要 まずは EPS を通じた出版者による電子書籍の納本 から国家図書館のメタデータの作成までの工程を述べ る。ISBN 付与の申請と納本が同時に行われるため、 紙の書籍と異なり、納本は出版される前に行われる。 おおまかなフローは以下の通りである(4)。 (1) 出版者は EPS にログインし、基本的なメタデータ、 本文コンテンツなどをアップロードする。 (2) EPS によって ISBN センターと連携してアップ ロードされた電子書籍に ISBN が付与される。 (3) 国家図書館は完全なメタデータを作成する。 (4) 電子書籍の奥付のサンプルが EPS によって自動 生成される。 (5) 電子書籍の適切な位置に(4)で生成した奥付を 埋め込むよう EPS によって出版者に通知される。 (6) 国家図書館は各データベースを通じて電子書籍の 出版情報を台湾内外に提供する。 2.2. 納本(2.1. のフローの(1)) 出版者は納本及び ISBN 付与の申請時に EPS を通じ て国家図書館に以下のものを提供する。 (a) 電子書籍の完全なファイル (b) 基本的な項目を持つメタデータ (c) 標題紙(書名が掲載されている頁) (d) 目次・序文・前言 (e) プレビュー用に使用する本文の一部 (f) 内容紹介・作者紹介 (g) 閲覧サービスの許諾申請 この段階で出版者が(a)の「電子書籍の完全なファ イル」を EPS にアップロードすることで「納本」と なる。納本される電子書籍のファイル形式は PDF 形 式もしくは EPUB 形式を原則とし、デジタル著作権 管理(DRM)が解除されたものでなくてはならない。 納本は出版者自身による EPS へのアップロードが基 本であるが、電子書籍のファイルサイズ、出版者のネッ ト環境などの問題で EPS へのアップロードができな い場合は、光メディアなどの媒体による郵送や直接の 持ち込みでの納本も受け付けている。 2.3. 閲覧サービスの許諾範囲の申請 「2.2. 納本」の段階で、出版者は国家図書館に対し、 納本した電子書籍の閲覧・貸出サービスの許諾範囲 を指定する(2.2 の「(g)閲覧サービスの許諾申請」)。 この方法により国家図書館が利用者に対して閲覧サー ビスを提供するために必要な権利処理に係るコストを 省いている。 出版者が納本する電子書籍の個々のタイトルに対し て国家図書館に課すことができる制限は以下の通りで ある。 (1)利用期間 閲覧サービスを提供できる期間。無期限にするこ とも期限を設けることも可能である。 (2)提供範囲 閲覧サービスを認めるネットワークの範囲。閲覧 を国家図書館内に制限する、またはインターネッ トに開放して館外での閲覧・貸出を認めることが 可能である。 (3)同時閲覧人数 同時に閲覧を認める利用者数。この数字には館外 への貸出冊数も含まれている。 (4)閲覧範囲 閲覧を認める電子書籍の本文の範囲。全文の閲覧 を認める、または本文の一部分のみの閲覧に限定 することが可能である。 (5)プリントアウトの範囲 電子書籍の本文のプリントアウトを認める範囲。 全てのページについて不可とする、ページ数に上 限を設けた上で限定的に認める、または全ページ を認めることが可能である。 国家図書館は出版者から得られた許諾の範囲で利用 者に電子書籍の閲覧サービスを提供することになる。 2.4. ISBN の付与(2.1. のフローの(2)) 納本された出版物がデジタル形式の単行図書及びそ れに類する出版物であり、かつ限定された特定の読者 を対象に作成されたものでなければ、ISBN 付与の対 象となる。ISBN センターと連携して ISBN が付与さ れる。
2.5. メタデータの作成と公開(2.1. のフローの(3) 〜(6))(5) 納本時に出版者から基本的な項目を持つメタデータ が提供される。国家図書館の職員はそれに件名や分類 などを補完して電子書籍のメタデータを完成させる。 紙の書籍の場合、国家図書館は出版される前に CIP (Cataloguing in Publication)用にメタデータを一度作 成しているが、全国書誌に掲載するためのメタデータ は、その書籍が正式に出版され国家図書館に納本され た後に作成される。そのため、出版からメタデータの 全国書誌への掲載までにタイムラグが生じることが避 けられない。電子書籍の場合、ISBN 付与の申請と納 本の手続きが統合され、出版前に処理が行われる仕組 みになっている。メタデータも出版前に作成されるこ とになっており、出版とメタデータの公開のタイムラ グは原則としてほとんど発生しない。国家図書館が作 成したメタデータは以下のデータベースを通じて公開 され、その出版情報が台湾の内外に発信されることに なっているが、電子書籍では出版情報の発信が出版と ほぼ同じタイミングで行われることになる。 ・館藏目錄 詢系統(国家図書館蔵書目録データベー ス)(6) ・NBInet(国家図書館が運営する台湾の総合目録)(7) ・ISBNnet(ISBN センターが発行する新刊速報)(8) ・OCLC WorldCat(9) また、メタデータの作成が出版前に完了するため、 国家図書館のメタデータが出版される電子書籍の奥付 にあたる部分に埋め込こまれることになっている。 3. 閲覧・貸出サービス(10) 3.1. 閲覧サービスの提供範囲-館内閲覧と館外貸出 国家図書館は EPS を通じて、納本された電子書籍 の閲覧・貸出サービスを利用者に対して無料で提供し ている。上述した通り、出版者は国家図書館に対して 閲覧サービスをどの範囲まで提供することを認める か、その許諾範囲を個々のタイトルごとに納本時に指 定することになっている。EPS は出版者から許諾の得 られた範囲で閲覧・貸出サービスを提供する。 利用者にサービスが提供される範囲は許諾の条件に よって主に以下の 2 つに分けられる。 ・国家図書館内に閲覧が制限された電子書籍 このカテゴリに当てはまる電子書籍は、さらに国家 図書館が指定するスタンドアロン端末のみでの閲覧に 限定される電子書籍と、国家図書館のネットワーク内 であれば利用者が持ち込んだノート PC やタブレット PC などからも閲覧が認められる電子書籍の 2 つに分 けられる。同時に閲覧できる人数は 1 タイトルにつき 1 人に限られ、閲覧方法は後述する「オンライン閲覧」 に限定される。 ・館外貸出を認められた電子書籍 「館外貸出」とは電子書籍を館外で閲覧することを 国家図書館が許可することを指す。館外貸出を認めら れた電子書籍は、国家図書館に足を運ぶ必要はなくイ ンターネット経由で EPS にアクセスして閲覧するこ とができる。閲覧方法は後述する「オンライン閲覧」 と「オフライン閲覧」を利用する。貸出期限は 10 日 間(他の利用者の閲覧予約がなければ 1 度だけ貸出の 延長も可能)で同時貸出可能冊数は 3 冊になっている。 「返却」の手続きはオンライン上で可能であるが、手 続きをせずとも貸出期限が経過すると自動的に返却さ れるようになっている(11)。なお、館外貸出が可能なタ イトルは日本からでも EPS を通じて借りることがで きる(12)。 その他、2.3. で述べたような同時閲覧人数、本文の 閲覧可能範囲、プリントアウトなどに関する条件が閲 覧・貸出サービスに反映されている。 3.2. 閲覧方法 - オンライン閲覧とオフライン閲覧 利用者が電子書籍を読む手段はネットワークに接続 した環境下で読む「オンライン閲覧」と PC や iPad な どの端末に電子書籍をダウンロードして読む「オフラ イン閲覧」が用意されている。 「オンライン閲覧」ではブラウザベースのリーダー を使用する。ネットワークに接続した環境下であれば 読むことができ、特に専用のアプリーションをインス トールする必要はない。閲覧が国家図書館の館内に制 限されている電子書籍はこの方法で閲覧する。 「オフライン閲覧」では、国家図書館が提供する NCL Reader(13)という専用のアプリケーションを使用 図1 オンライン閲覧画面
する。PC やタブレット PC などに電子書籍を一度ダ ウンロードすれば、ネットワークに接続していない 環境下でも NCL Reader を利用して読むことができ る。2010 年 10 月 現 在、Windows PC 用 と iPad 用 の NCL Reader が提供されているが、今後、iPhone 用、 Android用のNCL Readerも提供される予定である(14)。 なお、前述の通り「オフライン閲覧」が利用できるの は「館外貸出」可能なタイトルに限られている。 3.3. 電子書籍としてのデジタルアーカイブの提供 EPS には大量の「デジタル化書籍」と呼べるものが 含まれている。国家図書館が所蔵する図書や古典籍資 料など紙の資料から作成したデジタルアーカイブを 1 冊単位で PDF 形式の電子書籍にしたものである。 筆者が確認できる範囲で 4,043 件ものデジタル化書 籍が収録されている(17)。EPS には現在 1 万余件のコ ンテンツが収録されている(18)ので、全体の約 4 割をデ ジタル化書籍が占めていることになる。EPS には図 3 のような漢籍のデジタル化書籍だけではなく、1950 年 代の図書など比較的新しい年代の出版物のデジタル化 書籍も収録されている。以前であれば館外からは目録 データベースでその存在を確認することしかできず、 国家図書館に来館しなければ閲覧できなかったデジタ ルアーカイブのコンテンツがデジタル化書籍という形 で EPS を通じて提供されている。日本から利用でき るタイトルも少なくない。国家図書館は今後もデジタ ル化書籍を EPS に追加していく方針を示しており(19)、 デジタル化書籍という形で利用できるデジタルアーカ イブのコンテンツが増加することが期待される(20)。 4. おわりに 以上が EPS を通じて電子書籍を収集(納本受付) し利用者にサービスとして提供するまでの流れであ る。EPS が稼働してまだ日が浅いため、上で紹介した 通りに運用が実際に行えるのか未知数であるが、様々 な手続きを統合して出版者側と国家図書館の事務コス トを削減し、利用者にコンテンツを提供するフローは 参考に資するところがあるだろう。 この工程の前提として、電子書籍の納本に対する理 解と電子書籍に対して ISBN を付与するという考えが 出版界に浸透しなければならない。それには台湾の電 子出版市場の今後の発展動向や政府が進める電子書籍 の流通の標準化政策など様々な要素が絡んでくると思 われる。今後の動向を注視したい。 (関西館電子図書館課:安あん藤どう一かず博ひろ) ( 1 )2009 年 8 月に行政院を通過した「數位出版產業發展策略及 行動計畫」(電子出版産業発展策略及び行動計画)を指す。 ( 2 )“圖書館法”. 國家圖書館・臺灣廣域數位圖書館. http://www.ncl.edu.tw/ct.asp?xItem=7611&CtNode=1340 &mp=2, (参照 2011︲11︲01). ( 3 )國家圖書館數位出版品平台系統. http://ebook.ncl.edu.tw/, (参照 2011︲11︲01). ( 4 )“國家圖書館電子書送存 國際標準書號(ISBN)編訂作業 程序(草案)”. 國家圖書館數位出版品平台系統. http://ebook.ncl.edu.tw/ebookDepositNcl/modules/ depositIsbnIntro.jsp, (参照 2011︲11︲01). なお、以後、特に本文で言及のない場合はこのページを参 照することとする。 ( 5 )この項は註(4)とあわせて以下の資料も参照した。 李宜容. “電子書的資源組織與書目分享”. 國立政治大學圖書 資訊與檔案學研究所. 2010︲10︲15. http://www.lias.nccu.edu.tw/video/wp-content/ uploads/2010/11/1-3.pdf, (参照 2011︲11︲01). “附錄三國家圖書館遠端存取電子資源編目原則”. 國家圖書館 全媒體編目規範電子資源編目. 國家圖書館. 2011︲01︲11. http://catweb.ncl.edu.tw/flysheet_admin/new_file_ download.php?Pact=FileDownLoad&Pval=546, (参照 2011︲ 11︲01). ( 6 )國家圖書館館藏目錄 詢系統. http://aleweb.ncl.edu.tw, (参照 2011︲11︲01). ( 7 )全國圖書書目資訊網. http://nbinet2.ncl.edu.tw/, (参照 2011︲ 11︲01). ( 8 )全國新書資訊網. http://isbn.ncl.edu.tw/NCL_ISBNNet/, (参照 2011︲11︲01). ( 9 )WorldCat.org. http://www.worldcat.org/, (accessed 2011︲ 11︲01). (10)この章は以下の資料を主に参照した。 “電子書借閱規定”. 國家圖書館數位出版品平台系統. 2011︲ 04︲21. h t t p : / / e b o o k . n c l . e d u . t w / w e b p a c / e b o o k T u t o r i a l . 図2 オフライン閲覧画面(NCL Reader for iPad)(15)
図3 EPSに収録された国家図書館の漢籍のデジタルアーカ イブ(画面は(明)湯顯祖撰『牡丹亭還魂記』(16))
jsp?tutId=3, (参照 2011︲11︲01). (11)パブリックドメインの電子書籍(「公版書」)には貸出期間 が設定されていないため、無期限に借りることができる。 (12)EPS を利用するためには国家図書館の「單一登入入口網站 會員」(シングルサインオンアカウント)を取得する必要 がある。日本からでも国家図書館のウェブサイト(以下の URL)から取得することが可能である。 “國家圖書館「單一登入入口網站」會員服務規範”. 國家圖書 館・臺灣廣域數位圖書館. h t t p : / / w w w . n c l . e d u . t w / s p . a s p ? x d u r l = m e m b e r / userRegisterLaw.asp, (参照 2011︲11︲01). (13)“新手上路”. 國家圖書館數位出版品平台系統. h t t p : / / e b o o k . n c l . e d u . t w / w e b p a c / e b o o k T u t o r i a l . jsp?tutId=5, (参照 2011︲11︲01). (14)“國圖電子書親子用 iPad 在家看”. 聯合新聞網. 2011︲08︲24. http://mag.udn.com/mag/campus/storypage.jsp?f_ MAIN_ID=87&f_SUB_ID=327&f_ART_ID=338377, ( 参 照 2011︲11︲01). (15)“NCL Reader for iPad on the iTunes App Store”. Apple. 2011︲08︲19. h t t p : / / i t u n e s . a p p l e . c o m / u s / a p p / n c l r e a d e r / id422802099?mt=8&ls=1, (accessed 2011︲11︲08). (16)『牡丹亭還魂記』の EPS の書誌は以下で見ることができる。 牡 丹 亭 還 魂 記. 國 家 圖 書 館 數 位 出 版 品 平 台 系 統. http:// ebook.ncl.edu.tw/webpac/bookDetail.jsp?id=1300, ( 参 照 2011︲11︲01). なお、国家図書館の古典籍のデジタルアーカイブデータベー スである古籍影像檢索系統での牡丹亭還魂記の書誌は以下 で見ることができる。 詳目式 詢結果. 古籍影像檢索系統. h t t p : / / r a r e b o o k . n c l . e d u . t w / r b o o k / h y p a g e . cgi?HYPAGE=search/search_res.hpg&sysid=15096&v=, (参照 2011︲11︲01). (17)2011 年 11 月 1 日現在。詳細検索で検索項目「出版社」、キー ワード「國家圖書館轉製」で確認した件数。 詢結果. 國家圖書館數位出版品平台系統. http://ebook.ncl.edu.tw/webpac/bookSearchList. jsp?search_field=PU&search_input=%E5%9C%8B%E5%A E%B6%E5%9C%96%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E8%BD% 89%E8%A3%BD+&showtuple=10&sort_field=OPN&order =0&searchtype=0&phonetic=0&startYear=&endYear=&l ang=&collection=, (参照 2011︲11︲01). (18)“國圖電子書親子用 iPad 在家看”. 聯合新聞網. 2011︲08︲24. http://mag.udn.com/mag/campus/storypage.jsp?f_ MAIN_ID=87&f_SUB_ID=327&f_ART_ID=338377, ( 参 照 2011︲11︲01). (19)鄭秀梅. “以讀者需求規劃之電子書閱覽服務”. 國立政治大學 圖書資訊與檔案學研究所. 2010︲11︲05. http://www.lias.nccu.edu.tw/video/wp-content/ uploads/2010/11/1-4.pdf, (参照 2011︲11︲01). (20)台湾では「數位典藏與數位學習國家型科技計畫 」(Taiwan e-Learning and Digital Archives Program;TELDAP)と いうデジタルアーカイブプロジェクトが全台湾的といって よい規模で進められている。前身のプロジェクトである「數 位 典 藏 國 家 計 畫 」(National Digital Archives Program) (2002︲2008 年)を含めると開始から 10 年が経過しており、 すでに台湾の各機関では大量のデジタルアーカイブが作成 されている。その TELDAP では少しずつではあるが、プ ロジェクトの成果であるデジタルアーカイブのコンテンツ を電子書籍(EPUB 形式)として公開する試みを開始した。 デジタルアーカイブのコンテンツを電子書籍化して提供す る試みが国家図書館と TELDAP で並行して進められてい るが、今後、この 2 つの動きがどのように進展していくの か注目される。 數位典藏與數位學習國家型科技計畫. http://teldap.tw/, (参照 2011︲11︲01). 數位典藏國家計畫. http://www.ndap.org.tw/, (参照 2011︲ 11︲01). 網上書上網─數位典藏與學習電子書庫. http://ebook.teldap.tw/, (参照 2011︲11︲01).